ここ数年というものは、いわゆる一流のレストランで食事をすることがなくなりました。
たまには、優雅な雰囲気の中でワインを飲みながらフランス料理を楽しみたいと思うのですが、中々そのような機会に恵まれません。
さて、レストランといえばステーキをオーダーすると必ず好みの焼加減を聞かれますよね。
ですが、サラダのドレッシングの種類まで聞かれることは滅多にないと思うのですが如何でしょうか?
今回は、そのドレッシングの件でニューヨークのレストランで赤っ恥を掻いた思いでをご紹介したいと思います。
取引先のスミス夫妻が案内してくれたレストランはそれこそ一流を絵に描いたような雰囲気のある素敵な店でした。
例のごとく、肉の焼き加減を聞かれましたが、難なく「ミディアム・レア」と答えることが出来てホッとしていたところ、ウエィターガさらに「サラダのドレッシングは何がいいか?」と聞いてきたのです。初めてのアメリカで、いきなり想定外の質問をされたため、咄嗟にドレッシングの種類が思い浮かびませんでした。
そういえば「なんとかアイランド」というドレッシングがあることを思い出し、ウエィターに「ノーザンアイランド プリーズ!」と答えました。
すると、ウエィターが怪訝な顔をして、再度ドレッシングの種類を聞き返してきたのです。
そうか、ノーザン(北の方の)ではなく、サウザン(南方の)だったなと気が付き、「サウザンアイランド プリーズ!」と自信を持って伝えました。
それでも、まだ困ったような顔をして同じ質問を繰り返すのです。
困ったのはこちらの方です。
何回、言っても通じないのですから…。
すっかり途方に暮れていると異変に気付いたMr.スミスが「Mr.POひょっとすると、あなたの好みはタウザンアイランド(千の島)ではありませんか?」と助け舟を出してくれたのです。
私としては最初から「サウザンアイランド(千の島)」と言っているつもりでしたが、thの発音が悪いためにウエィターには通じなかったのです。
すっかり、意気消沈した私にスミス夫妻は温かい励ましの言葉を掛けてくれたのです。「Mr.PO!こんな面白いジョークを聞きながら食事をしたのは初めてです。実にHappyな夜でしたよ!」
この辺りがアメリカ人の機転の利くところですよね?
これが、きっかけとなり商談はとんとん拍子に進んだことは言うまでもありません。
今でこそ笑い話ですが、当時は恥ずかしさのあまり冷や汗が止まりませんでした。
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